就活中、よくおしゃべりしていたマンションの管理人さんがなくなった。
管理人を辞める前、(仕事を始めてしばらく会わなくなっていたから久々にあったとき)、
ショックを受けるくらいに弱っていた。ガンだった。
そういう事実に直面する前に
ふとマンションのエントランスが薄汚れていて
「異変」に気がついていた。やっぱり、という感じだった。
お手紙を書こうとして、かけなかった。
ちゃんとご挨拶できなかった。
いつもバイトにいくのに、「デート?おでかけ?」と聞いてくれる管理人さんが結構好きだった。
前職はすし職人なのに話好きの人間味あふれる楽しい人だった。
マンションに住む子供たちと遊んだり、お掃除のおばさんと談笑したり、
何度「いってきます」と「おかえり」をやりとりしたか分からない。
今の管理人さんがどんな人か知らない。
朝は管理人さんがくるまえに家を出るし、帰る頃はもういない。
どこかで、管理人さんが辞めてしまってから
亡くなってよかったなって思ってしまう自分が居る。
死に直面したくない。
どこかで生きているような気がしてしまう。そういう気でいてしまう。
小さい頃祖父がなくなった時もそうだったな。
こわいな、よわいな。
どうかやすらかに。